ドバイの人口は2019年時点で約330万人。 そのうちの約85%が海外からの出稼ぎ労働者と言われています。
その85%の海外からの出稼ぎ労働者のうち、半分以上がインド人です。僕の友達がやっている現地の旅行会社も従業員はほとんどがインド人。
僕が最初にドバイへ来た20年前は、出稼ぎのほとんどがインド人とパキスタン人でしたが、現在はフィリピン人がものすごく増えました。
フィリピン人は特にレストランやフードコートなどのようなお店の店員に多いように思います。フィリピンの人達はこういったサービス業に適しているのでしょうね。
最近はアフリカからドバイへ働きに来ている人も多く見受けられます。 アフリカの男性は身体もかなり大きいので、ホテルやビル、観光施設などで“セキュリティー業務”をしている人が多いです。
アフリカからの女性はタクシーの運転手さんをしている人も多いですね。
特に女性のお客様専用のタクシー(男女のカップルはOK)の“ピンクタクシー”のドライバーをされている人を多く見ます。
*ピンクタクシーは車の屋根がピンク色なのですぐ分かります。ピンクタクシーは基本的にドバイ国際空港のタクシー乗り場で待機していますので、街中ではあまり乗るチャンスはありません。
もちろん、最近は中国からの出稼ぎ労働者もかなり増えています。
中国人の方はドバイへ観光で来られる方もかなり多いので“観光業”は勿論のこと、レストランなどのサービス業や色々な職種の営業をされている人など様々ですね。
実際にインド人や中国人には優秀な人も多く、各企業にてかなりの要職に就かれている人も沢山います。
少し、建設が遅れているようですが、来年の2021年にはドバイモール近くに「世界で一番大きいチャイナタウン」が出来ると聞いていますので、今後はますます中国からの観光客とドバイで働く中国人の方が確実に増えるのではないでしょうか。
僕が働く観光業では、上に書いたインド人やパキスタン人、フィリピン人以外にもスリランカ人、ネパール人、バングラデッシュ人、エジプト人、ロシア人など、ゆうに30カ国以上の人達が一生懸命働いています。
ドバイに出稼ぎで来ている人達はアラブ首長国連邦の労働VISA(査証)がもちろん必要になるのですが、このVISAはドバイの“勤務先(スポンサー)”の保証が必要となります。 このスポンサーが彼らの保証人になってVISAが取得できるというシステムですね。
ドバイがあるアラブ首長国連邦は世界でも上位にランクされる「治安の良い国」です。
その理由はこの住民のほとんどがお金を稼ぐ目的でドバイへ来た“海外からの出稼ぎ労働者”で、もしドバイで何か悪いことをするとVISA剥奪で国へ強制送還されることはもちろんのこと、悪いことをした同じ国出身の人達のVISA更新などにも影響されます。
なので、彼たちは犯罪をこの国で犯すと自分自身の生活や夢も壊すことになりますし、同じ国の人々にも迷惑をかけることになりますので本当にドバイでは犯罪はほぼありません。
”中東”というと、日本の方は治安を不安視される方も多いと思いますが、アラブ首長国連邦は極めて治安の良い国ですので、安心して観光をお楽しみ頂ければと思います。
(ドバイには世界中から観光客が集まります。その中にはもしかしたら悪い人もいるかも知れませんので各自、最低限の注意はなさってください)
日本人の方のドバイ居住者も年々増えております。 20年前にドバイの在ドバイ日本領事館の人と話したときはドバイの“日本人会”の人数は800名ほどと言われていました。
その領事館の人は若いお兄ちゃんで、「日本人会の運動会の準備に忙しい」と言うてましたね。
ちなみに、この領事館の若いお兄ちゃんは「僕、アルバイトなんですよ!」とお兄ちゃんが運転する車の中で僕に急に言ってきました。
僕:「へぇ~、領事館ってアルバイトがおるんや?」と、アルバイトと聞いて急にタメで話すボク。
領事館のお兄ちゃん:「そんなんですよ、アルバイトは楽ですよ!」
僕:「・・・」
領事館のお兄ちゃんは爽やかに答えた。 たぶん・・・ですけど、このお兄ちゃんはええとこの人なんでしょうね。誰もが領事館にアルバイトで働けるとは思えませんもんね。まぁ、とにかくええお兄ちゃんでした。
今ではドバイで働く日本人は3,000名を超えたようです。 (そのうち、何人の方がこの“日本人会”に入っているのかは分かりませんが)
ちょっと話しはそれますが、僕が最初にドバイに行った20年前に観光ディナー船の「ダウ船」にお客さんをお連れしたときに、隣のテーブルのめちゃくちゃ身長のデカい兄ちゃんとその連れのパキスタン人が座っていました。
その小さい方のパキスタン人が喋りかけてきたので話しをすると、そのデカい方のパキスタン人は、「世界一背が高い人間」だとのこと。(“当時”ですけどね)
確か身長は260cmと言ってたような気がします。(もう少し低かったかも・・・)
彼は日本のテレビ番組「ビックリ人間ショー」に呼ばれているとも言うてましたね。日本に行くことをすごく楽しみにしているらしい。
ダウ船の食事はブッフェ形式なので彼が食事を取りに立った時、思わず僕は「デカっ!」と言って彼を見上げる。その横で小さい方のパキスタン人は「彼はデカいやろ~!」と言って笑っている。
260cmと聞いて“デカい”とは思っていたけど(座高も高いし)、立つとその想像を遙かに越えていた。
今ではダウ船のディナークルーズは沢山の会社があって天井も高い船がありますが、当時はインターコンチネンタルホテル ドバイ(現ラディソン ブル デイラ)がやっている1隻しかなかった。
そのダウ船の天井の高さはおそらく200cmくらいでかなり低い。なので、彼は少なくとも60cm以上はかがんでブッフェラインに向かって歩かないといけません。
それを見た僕は小さい方のパキスタン人に「ちょっと、大変そうで可哀想やなぁ」というと、彼は「大丈夫、大丈夫、彼は慣れてるから!」と言ってまた笑う。
苦労をしたことのない「おまえが言うな!」とツッコミたくなったが、彼ら2人は愛想のいいやつらでパキスタンの国の話しなど、色んな事を教えてくれました。 あれから、20年・・・。彼たちは元気にしてるかなぁ!?(肝心の「ドバイで何の仕事をしてるのか?」を聞くのを忘れておりました)
僕は時間が空いたときにドバイモールのフードコートでランチをよく食べます。 食べ終わった時にふとフードコートを見渡して思うことは「今、見える範囲で何カ国の人がいるやろか?」ということ。
想像だが、その国数は確実に30カ国以上はあると思う。いや、50カ国以上かも知れません。
そんな国って、おそらく世界中の国の中でもないですよね、きっと。
こういった”多国籍国家・ドバイ”を、ちょっと感じながら観光をして頂けるとまた違った視点で面白いと思います。
前のブログでも書きましたが、僕たち観光客がドバイの生粋のアラブ人(エミラティ)と直接話す機会(サービス)は入国と出国の審査時の計2回だけ。
それ以外は僕たちが対面でサービスを受けるのは、すべて海外からの出稼ぎ労働者です。
僕はタクシーに乗ると、必ずそのドライバーにどこの国からきたのかを聞きます。
”パキスタンからきた!”と聞くと、僕は「フンザは素敵なところだよね」とかを話します。するとほとんどのドライバーは「君はどこからきたんや?」と聞き返してくる。
僕は”日本の大阪から来た”と伝えると、ドライバーは”大阪知ってるでぇ!”とペラペラと話しかけてきたりしてちょっと楽しくなります。
そういう旅先でのコミュニケーションは思い出に残りますので、もしドバイに行かれたらそういった楽しみ方も経験されてみてはいかがでしょうか。(たま~に寡黙なドライバーもおりますが、害はありません)