【ドバイのSDG’s】サスティナブルの取組みについて

ドバイ

最近、日本でもSDG’sの文字をメディア等でよく目にするようになました。

SDG’sとは2015年の国連サミットで全会一致で採択されたもので、“SDG’s=持続可能な開発目標”は「17の国際目標」とその下に169のターゲット、232の指標が決められています。

“目標”ですから、年限が設けられており10年後の2030年までの目標となっています。

17の国際目標はそれは多岐にわたっていて、全てをクリアするには国自体がリーダーとなって自治体、大手企業を中心に活動を広めていく必要があると思います。

例えば、17の目標のうちの最初の4つ「1・貧困をなくそう」や「2・飢餓をゼロに」、「3・すべての人に健康と福祉を」、「4・質の高い教育をみんなに」などの目標は、一企業が取り組むのには難しい目標ですので、国→自治体→企業→個人と浸透していくようなシステム作りが必要です。(まぁ、すでに国が中心となってシステム構築をしているはずで、何よりこの4つの目標はお金がかかりますしね)

現に日本でも政府が、自治体によるSDG’s達成に向けた取組みを公募し、優れた取組みを提案する都市を「SDG’s 未来都市」に選定して、その中でも先導的取組をしている都市に「自治体SDG’sモデル事業」としてさらに選定し、資金的に支援などをすでにしているようです。

前書きが長くなりましたが、ドバイではその「未来都市」として、サスティナブル<持続可能な>な街作りの計画に早くから取組み、そしてドバイの30km郊外にその名の通りの『サスティナブルシティー』を開発しました。

僕が最初にこのサスティナブルシティーを訪問したのは2019年4月。

数年前からドバイ市内から20~30km郊外のところに多くの家()を建設しているのを横を通った時に遠目に見ていましたが、その中の一つがこのサスティナブルシティーです。

*サスティナブルシティーのジオラマ

正直なところ、「こんな郊外に、同じような家をいっぱい作って誰が住むねん?」と思っていましたが、このサスティナブルシティーのスタッフから聞いた話では、この時点で90%がすでに購買済みとのこと。

家はほとんどが2階建てのいわゆる“一戸建て”で、値段は日本円で1億を超える金額だそうです。(アパートメントタイプもあり)

最初の訪問から数ヶ月経った2020年1月に、ある日本からのグループと一緒にこのサスティナブルシティーを再び訪問しましたので、その時に撮った写真をまじえてお知らせをさせて頂きます。

サスティナブルシティーは世界中からこの街を視察に来るグループのために、有料の“視察ツアー”プログラムを作っています。 そのプログラムの基本は、街を一通り担当ガイド(英語)がついて案内してくれる“90分”のコース

*視察者用のビジターセンターもあります。

コースは

  • ジオラマを使っての説明
  • 電気カートに乗って街中を視察
  • 街中にある11個あるうちの1つのバイオドーム見学(ドーム内で野菜やハーブを作っている)
  • 街中にあるまだ入居されていないモデルルームの見学

などになっています。 ツアーの内容は基本は上記となっていますが、その日のプログラムの混み具合や入居者の都合などによって変更になる可能性があります。詳しくは予約の際にご確認下さい。

サスティナブルシティーはまさしく“持続可能な街”となっていまして、電力は各家や建物に設置しているソーラーシステムを利用、住民の自家用車はサスティナブルシティーの指定駐車場に各自停めて、そこから家までは電気カートを利用して家に帰ります。

*サスティナブルシティー内はバイクも電気です。

水については「海水を水に浄水する施設」を持ち、ゴミなどは街内に「ゴミ処理場」があります。そして、街中に縦に並ぶ11個のバイオドームでは野菜やハーブを栽培しており、住民はクーポンなどでいつでもそれらを利用することが可能です。

視察中にすれ違う住民を見たところ、アラブ人(エミラティ)はもちろんですがヨーロッパ系、インド系、アジア系などのまさしくドバイらしく、多国籍のお金持ちが暮らしているようです。

*バイオドームの外観

バイオドームの中も見学しました。 

ドーム内を見たところ、思ったよりはほったらかしで栽培しているようなイメージ。 ものすごくアバウト。

これは日本の農家さんがあまりにも優秀で、きちんとした栽培をされているのをずっと見ているのでそう感じるのかも知れませんが、農業国の我々日本人からすれば“なんかもったいないなぁ~”というのが正直な感想。 せっかくの設備とシステムが活かされていない感じ。

ドーム内のスペースもなんか中途半端だし・・・。

*バイオドームの中(スペースがあまりすぎ!)

普段は海外の家の中を見る機会はそう無いので、このモデルルームを見学させてくれるのはとても有意義ですね。 ましてや、クリーンエネルギーに特化した中東の家を見れるのは本当に貴重です。

*サスティナブルシティー内の高級住宅・入口

モデルルームの正面写真ですが、外観“アラブ観”はそんなに感じません。普通に「ええ家」です。

普通なら門に近づけば、犬が「ワンワン!」と吠えてきそうな感じですが、イスラム圏では犬は不浄の動物とされていますので、まだまだ犬を飼っている人は少ないですね。(犬が好きな僕は“不浄の動物”と言われて、なんかショックを受けたことを覚えています)

それでもここ数年は、犬を散歩されている人を時々見かけるようになってきました。最初に来た20年前はおそらく、犬を飼っている人は1人もいなかったと思うのですが、時代が変わると生活文化も変わりますね。

*サスティナブルシティー内の高級住宅・お庭
*サスティナブルシティー内の高級住宅・洗面所&トイレ

海外の家らしく、トイレは洗面所と同じスペースにあるようですね。これって、海外の皆さんにとっては普通なのかも知れませんが、落ち着けるのかどうかを勝手に心配してしまいます。

*サスティナブルシティー内の高級住宅・2階テラス

家の2階には見晴らしの良いテラスがありました。朝起きて、このテラスで朝食なんかを食べると優雅でいいでしょうね。

テラスのテーブルセットにある屋根も、もちろんソーラーシステムになっています。その横にもソーラーシステムがありました。

*サスティナブルシティー内の高級住宅・テラス横のソーラーシステム

ちょうどこのテラスにいる時に、横にあるソーラーシステムから「ウィ~ン」という音が聞こえてきました。 結構しっかりした音でしたので、たまたまチャージか何かをしていたのかも知れませんが、僕はソーラーシステムは“静か”なイメージを勝手に持っていましたので少し意外でした。

ちなみにサスティナブルシティーのソーラーシステムは、中国の大手太陽光パネルメーカーを採用しているようです。

僕は使っていないのでわかりませんが、日本製もこれくらいの音がするんですかね??

以上が2020年1月に訪問したときのサスティナブルシティーの紹介です。

もっと細かい状況を書いた方がいいかと思いましたが、「百聞は一見にしかず」で文書よりも写真を多めに載せた方が理解頂けるかと思って文章説明をかなり割愛しております。

最後にこの1枚の写真をご覧下さい。

*フェスティバルシティーのホテルから見たカルフール

空港近くにある“フェスティバルシティー”のホテルに泊まったときに窓から見える風景を撮ったものです。

大きなカルフールのお店が写っていますが、その屋根はすべてソーラーシステム。

ドバイは1年のほとんどで晴れている国ですから、この太陽の光を完全に有効活用をしています。

僕はプロフィールにも書いているとおり、ISO(国際標準化機構)の審査会社で勤めていたときに「ISO14000/環境マネージメントシステム」の審査員補の資格を取得しました。(更新しなかったので失効していますが)

地球の環境問題については旅行業界で働く人間の中では、ある程度知識を持っていて尚且つ、少しは考えている方だと思います

なので、世界中でこのようなエコシティーが出来て、暮らすそれぞれの人が地球環境を考えるようになり、年々増していく温暖化の対策にも貢献して、20年後、30年後にはクリーンな地球になっていることを願ってやむを得ません。

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